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【創作】『S,S』 断片

話の始まりというか、断片というか。
とても短いですが話の始まりはきっとこんな感じです。

この話の設定は「声を失った男の子と、視力を失った女の子が旅をする」というやつです。
旅するメンバーは二人だけじゃないですけども。

それではおります。
おりおおりー。
「……?……っ!!」
「だれ?そこにいるのは、誰?」

「…っ!……!!」
「…ロ、ア?ロアなの…?」

「……!…?!」
「そうだったら返事して、ねぇ…へんじ、してよ…」

……。

少女は少年が駆け寄るまで地を這いずる様にしていた。
そして助けが来た事に安心したいのか、彼女は駆け寄った少年の手を、服を掴み本当に縋るように聞いてくる。
“少年が自分の仲間か”ということを。
しかし少年は ―そうだよ、だから安心して。― その言葉を掛けることが出来なかった。
少女の人違い?少年にそれ以上の言葉が見つからなかった?どちらも違う。
確かに彼らはこの場所…今は崩れた瓦礫ばかりだが…に建っていた孤児院で一緒に過ごしていたのだ。
瞼を閉じたままの少女には視点よりも音が重要なのだ。何でも良い、どんな声でも、彼女に届けば良い。
それなのにどれだけ力を入れても、音を喉から振り絞ろうとしても、それは驚くほどに空回りした。
彼は、静かに涙を流す。
目の前にいる少女に自分自身の証明が出来ないまま、ただその場に居ることしか出来なった。


「……っ!!」
自分自身の手が今さっきまで掛かっていた布団を握ってることを見てようやく現実を再確認する。
――またか、青年は溜め息をついた。ここ最近同じ夢を見続けているからだ。…この悪夢のような現実を。
それは、青年が旅に出る理由になったある事件、そして皆を失ったあの日の出来事。
嫌な夢を見た時に伴う強い頭痛は青年の苦しんだ記憶ばかりを掘り起こす。彼はその頭痛に嫌気が差し、勢い良く布団から出るとそのままの格好で外へ出た。
「………」
青年の服に付いている小さな鈴が風によって鳴る。緩やかな風の冷たさで頭痛も消えていき、目も冴えてくる。
鈴の音は青年にとっては懐かしい音、貰ったその時から変わっていない。
(今日もまた寒い…そういえばあの時も、そうだったのかも知れない。)
青年は灰色の空を見上げてゆっくりと昔を思い出した。




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[ 2012/03/29 ] オリジナル | TB(0) | CM(0)

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